ついニヤけてしまう選手がいる
その選手は試合をとても楽しんでいる。
終わったらいつも汗だくで息を切らしている。
後ろのポジションの時は必死に守り仲間のカバーリングや相手のシュートをブロックしたり、スライディングしたりとこちらが伝えなくても勝手に行う。
転ばされてもすぐに立ち上がりボールを追いかける。
前のポジションの時は前線で裏取りし、相手ボールならチェイシングする。
シュートを外せば「あー!」と言って悔しがる。
それでまたボールを要求する。
「無我夢中」
彼は指導者や親のためにプレーをしていない。
評価を求めてもいない。
僕ら指導者が伝えたことは全て手段であって目的ではない。
サッカーは相手より1点多く取ったら勝ちになる。
それを彼は遂行している。
相手を観てパス、ドリブル、の判断をする。
観れてない時のゴール前はクリアをもする。(ボールを捨てるようなことはミスとされる日本)
点を取られたくはない!の気持ちが彼を動かす。
もちろん観れた時は繋ぐ、それも点を取る為の手段だから。
彼に気付かされたのは試合は彼らのものである。
練習で獲得したものは全て手段である。
その手段の何を選ぶのも彼らのもの。
彼らが選べるようにするのが練習と僕ら指導者。
評価を目的とする選手はどこか言い訳やカッコつけたりする。
倒されてファールがあったと自分で宥めゆっくり立つ(ファールではない)
ゲーム性を理解していれば勝手に次のプレーに向かう。
そのゲームを勝ちたいからすぐに起き上がる、走り続ける。
点を決めたいから裏に走り要求する。
「裏に走れ!」と言われることではない。
そんなサッカー少年がいることに感謝している。
そんなサッカー少年が少なくなっているように感じるのは僕達が原因かもしれない。
彼らへのアプローチはいつしか評価や、失敗を怖がる選手になっているかもしれない。
保護者も家庭で子供たちに選ばせる機会を増やして、失敗を沢山させて、見守ってあげて欲しい。
決断できる子供を多く育てたいと改めて強く思った。